I AM KENJI

後藤健二という男性を知りました。

そして「インディペンデント・プレス」を知りました。

どこからも支配や影響を受けない報道機関として名付けられたのでしょう。

 
It means “Lost Age” really. これこそ本当に「失われた世代」だ

 なぜ、彼らは死ななくてはならなかったのか?希望の光射す未来と無限の才能を持っ
ていたのに。これから好きな女性ができて、結婚して、子どもを産み、家族を持てる
十分な機会があったはずなのに。戦いに疲れ果てた人たちは口々に言う。「死んだ者
は幸いだ。もう苦しむ必要はなく、安らかに眠れる。生きている方がよっぽど悲惨で
苦しい」と。皮肉だが、本音だ。彼らは兵士でも戦場を取材するジャーナリストでも
なかった。外国人と交流して異文化を味わうことを楽しみ、すべての時間を市民のた
めに自分のできることに費やし、自分で思考錯誤しながら技術と得意分野を真っすぐ
に成長させて行った。

オマールはあの時何歳だったか?革命を信じたお子ちゃまカメラ少年は、いつの間に
か生き生きした映像を録る勇敢なカメラマンになっていた。ISISに殺された。

そして、ハムザ。戦争孤児や貧しい家庭1,000世帯に、毎朝パンを届ける慈善団体を
切り盛りする天才肌の若者だった。7月10日、空爆の犠牲になった。

彼らは、いつも笑顔でこちらの頼みを聞いてくれた。一緒にお茶を飲み、甘いお菓子
を食べた。感謝のしるしに日本製の時計を、コンデジを、プレゼントした。戦時下で
は、プレゼントできること自体が嬉しいものだ。

世界各地の紛争地帯で、私の仕事を手伝ってくれた人たちが、もう何人亡くなっただ
ろうか?

でも、私はまだ生きている。生きて自国に戻り、「伝える」仕事に集中することがで
きる。

彼らが死ぬなどと真にイメージしたことは正直なかった。

鮮烈に蘇る彼らの優しい笑顔。

ボー然としたところで、「なぜ?」と考えたところで、彼らはもう戻って来ない。

どうか、神様。彼らに安らかなる日々をお与えください。

                          後藤さんのブログより


 

とても胸が苦しくなりました。

これを書いた彼がいま、同じ目に遭おうとしています。

僕には彼ほどの正義感も使命感も存在しません。

UNHCRに毎月、雀の涙ほど協力させてもらうのが関の山。

「自己責任だろ!」賛否両論あると思います。

でも僕は後藤健二さんを尊敬します。
 

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 無事解放されますことを切に願いますshine

 

KENJI GOTO
ジャ-ナリスト
1967年宮城県仙台市生まれ。
番組制作会社をへて、1996年 映像通信会社 インデペンデント・プレスを設立。

 「戦争・紛争」「難民」「貧困」「エイズ」「子どもの教育」の5つの人道分野に
フォ-カスし困難な環境の中で暮らす子ども達にカメラを向け、世界各地を取材
している。
テレビ朝日『報道ステーション』 NHK『BSドキュメンタリ-』『ETV特集』
『週刊こどもニュース』『クローズアップ現代』 などの番組でその姿を伝えている。

 また、UNICEF(国連児童基金)やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)など
国連の人道支援機関との繋がりも強く、プロジェクト記録やモニタリング(評価)
コンサルティングにもジャ-ナリスティックな視点を取り込んで従事する。
社会貢献活動では、非営利でメディア(媒体)が貢献することを目指して『The
World With You』プロジェクトを進めている。
近年では「取材者自らの口で直接伝えること」を唱え、日本全国で講演会や小中
高等学校での授業などを数多く行っている。