「あの道の周辺で田を売ってもらえるところを探して。駐車場にしたい。」
この依頼が始まりでした。
南北に伸びる道の東西。所有者様を調べて1件1件伺う事から始めます。
先ずは「ご売却の意思はございますか」からお伺いします。
すぐにお返事は頂けないので
「ご検討ください」「売却の意思はないけど考えます」
から始まり1件につき3度以上の訪問でした。
2件お断りを受け、凹んでいた3軒目。
2度目の訪問時
「〇〇〇〇万やったら売却してもいいけどな。」
昔バブル時にそれ以上の価格で買ってるから」との返事。
確かに今の相場では考えられないような価格です。
依頼者様にそれを伝えます。
「それは高過ぎやろ」でもちょっと考えさせて。と言われて2週間程。
「あの辺りが気にいっていて、どうしても欲しいから。あとの交渉は君次第や」と
希望金額には届かないものの近い金額を提示頂きました。
そこからご売却者様へ通うこと6回。
ようやく価格の折り合いがつきました。
価格はまとまったものの、その辺りは市街化調整区域の農地ですので
田に土をいれて駐車場にするには農地転用許可(農地法第5条)が必要となります。
契約にこの許可が成就する事を条件として契約しました。
市の農業委員会を通じて県の許可を得るまで1ヶ月半。
ようやく許可が下り、土地の決済(引渡し)となりました。
決済時に売主様に掛けて頂いたお言葉
「せやけどあんた何回も何回もよう足を運んでくれたな。
今はワシあんたに、ほんまに感謝しとるよ。ほんまにありがとう」
心のなかで涙涙
時として、
「こんな話、いつになったらまとまるのかな まとまらなかったら何も無しよ」
と正直思ったのも事実ですが、そんな思いもすべて吹き飛びました。
売主様、買主様、そして私にとっては感慨深い、良いお取引をさせて頂きました
そして今、造成工事中です。 ありがとうございます。